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3.2 国内の状況

'93年から'94年にかけて、全国紙・ブロック紙を中心に各社でマルチメディアに関する研究会が設置され(21)、数社からその成果として電子新聞のプロトタイプが公表されている。
'93年10月、a href="sanko.html#22">北海道新聞がワークステーションからISDN回線経由で画像データベースを検索するという形式のデモを行っている(22)。
'94年11月には読売新聞が新聞制作システムの画像・記事データを利用し、衛星回線を利用した電子新聞プロトタイプのデモを行った。新聞紙面をクリックすると対応する記事・写真が読みやすい大きさになるというインターフェースである。
'95年1月には中日新聞が実験版電子新聞として「中日新聞電子版」を発表した(25)(26)。中日新聞の運営するパソコン通信「中日ネット」に接続し、ダウンロードして読むもの。ウインドウズ上で動作し、画面を開くと、記事、写真などが出る。また配置されたボタンや見だし、記事などをクリックすれば、新たな記事や詳報、写真、音声を得ることが出来るものとなっている。日本IBMがデモ用に製作した電子新聞のプロトタイプを利用したものである。
インターネット利用の実験は'94年11月に熊本日日新聞がデモを行っている(27)。インターネットへの情報の定期的配信は朝日新聞が95年8月から開始した(28)。他の全国紙4紙(毎日、読売、サンケイ、日経)も朝日に追随するかたちで次々とインターネット上にホームページを立ち上げた。
これら、新聞各社の動きに先立ち'94年に広告代理店の電通が電子新聞時代の広告を提案する形で電子新聞のプロトタイプを試作した(29)。新聞の紙面体裁にこだわることなく、画面上には記事見だし、写真、広告が並びその部分をクリックすると詳細な内容が見られるようになっている。広告の部分にはオンライン・ショッピングやチケットの予約機能などのマルチメディアのネットワーク的機能も盛り込まれている。

by naoto_minamoto | 2005-08-12 16:35 | ①新聞産業の現状と電子新聞  

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